Wednesday, January 17, 2018

番外編(ロシア滞在記2)

こんにちは。川崎グループ所属M1の芳賀泰平です。

 前回の番外編1に引き続き、ロシア滞在記をお送りします。
 僕が所属していた大学はサンクトペテルブルク国立大学で、略称としてСПБГУ(エスペーベーゲーウ)と呼ばれているのですが、そのなかのGSOM (Graduate School of Management) というところで1セメスターの間過ごしてきました。今回はその大学と授業についてお伝えします。
 上のストリートビューで写っている3階建ての建物にGSOMが入っています。あるロシア人の友人から聞いた話では、GSOMの建物は最近リニューアルされたらしく、他の学部よりも整っているとのこと。留学生に1人ロシア人サポーターが付くバディというシステムも、マネジメントの学部だけ他の学部から独立しているとも言っていました。


 僕が現地で履修した授業は以下の4科目です。

1, Regulatory Impact Assessment (RIA)
2, Sustainable Territory Development (STD)
3, International Oil and Gas Market (IOGS)
4, Supply Chain and Operations Management (SCOM)

 これら4つの授業の内、RIAとSTDは社会基盤学専攻とかなり近いトピックです。RIAでは政策や規制を実施する際にどのような影響がステークホルダーに及ぼされるのかを事前に想定し、より良い政策を選択しようという方法論について学びます。
 3人グループで解決すべき課題を設定し、それがなぜ問題なのか、手を打たないとどうなるのか、取りうる政策手段は何か、どういう評価軸で比較するべきか、などを考えるグループ課題が授業の中で重きを占めていました。
 
 STDはその名の通り、持続可能な開発について理論・実践両面から迫ります。


社会基盤学専攻での学習や研究の際も持続可能な開発目標STGsが頻繁に登場してきましたが、それらは主にSTGsの中でも1 No Poverty, 6 Clean Water and Sanitation, 13 Climate Action に関係する内容が多かったように思います。一方STDの授業では11 Sustainable Cities and Communities に関連する内容に重きが置かれていました。
 Sustainableか否かを判定するためのチェックリストに基づいて、数人グループでケーススタディを行ったり、ペテルブルク市内の都市開発事例を現地調査したりといった実践的な学習を通じ、どう持続可能性が都市開発の際に考慮されているかの理解を深めることが出来ました。
 気になったのは、授業自体はロシア人・留学生双方が対象にも関わらず、ロシア人が非常に少なかったことです。ペテルブルクはゴミの分別も実質行われていないと聞きました。「持続可能性」はまだ喫緊の課題とは考えられていないのでしょうか。

 GSOMの授業はヨーロッパ式で、授業中のグループワークが多めです。議論で言いたいことを言うには英語力が足りないことを実感し、歯がゆい思いをしたことも何度もありました。共同でのレポート作成など文章ベースの時は、意味ある貢献が出来たと自信を持って言えますが、その場で議論してそこで発表というタイプの際は正直かなり苦戦しました。
また語学力に限らず、ヨーロッパの学生のレベルの高さには刺激を受けました。
 

 今回取り上げなかった残り2つの授業については、4回目の記事で簡単に紹介したいと思います。次の番外編3ではロシアの社会や生活について扱います。
 ここまで、長文を読んでいただきありがとうございました!

おまけ:一番乗りした日に撮った無人の図書室



Friday, January 12, 2018

番外編(ロシア滞在記1)

こんにちは。川崎グループ所属M1の芳賀です。
実は8月25日よりロシア滞在中です。(でした。先日帰国しました)

簡単に要約すると以下の通りです
○東大とサンクトペテルブルク国立大学との交換留学
○Graduate School of Managementに所属
○学生寮生活

何回かに分けてこの番外編ロシア滞在記を書いていこうと思います。
まず今回の記事では、サンクトペテルブルクとそこでの生活を簡単に紹介します。

基本情報
人口 520万人(2015 census)
(東京都:1370万人)
面積 1431㎢
(東京都:2191㎢)


サンクトペテルブルクは1703年にピョートル大帝の指示で築かれ、1713年からソビエト連邦成立までの間ロシア帝国の首都でした。現在は首都の座をモスクワに譲っていますが、それでも500万人以上の人口を抱えるロシア第2の大都市です。実際の街の規模感としては名古屋ほどかと思います。日本の大都市の様に高層ビルが林立しているわけではないのですが、市中心部は多くの人で賑わっており、あらゆる種類のお店が軒を連ねています。多くの人にとって飽きることはないでしょう。

いくつかの写真と共に、サンクトペテルブルグの生活をお伝えします。

サンクトペテルブルク国立大学,寮No.19

いきなりソ連を彷彿とさせる写真ですね。これが4か月半住んでいた学生寮です。正確にいうと、この建物すべてが寮でなく左側3分の1ほどです。残りは普通のアパートだと思います。
 サンクトペテルブルグでは日本と異なり、多くの学生が寮住みです。寮は1人ずつの個室に分かれているわけではなく、複数人でシェアします。プライバシーを気にする人にはちょっと辛いかもしれません。
 僕にとっては非常に快適でした。家族以外と共同生活を送ることは初めてだったので、ルームメイトに様々な迷惑をかけていたと思いますが、彼らの暖かい支えもあって無事のりきれました。


Hermigage

 世界の美術館の中でも3本指に入ると言われているエルミタージュ美術館。その美術館のメインビルディングである冬の宮殿の写真です。ロシア革命までは皇帝が住む宮殿でした。
 学生無料というところも素晴らしい。西洋美術に関しては日本の美術館が束になっても敵わないくらいの質・量を誇る美術館に無料で入れるとは、言葉で表せないほどの素晴らしさです。その特権を利用して僕は10回訪れました。実はこれまで美術に全く興味がなかったのですが、一流のものに触れて楽しさに気づきました。ガイドブックも充実していて、美術史が何となくつかめるようになってきました。





 上の2枚はサンクトペテルブルクの有名な劇場「マリンスキー劇場」の内部です。左が新館であるマリンスキー2、右が本館内の写真です。本館は古き良き雰囲気が漂っているのですが、鑑賞環境としては新館に軍配が上がります。


 日本と比べると値段は破格で、一番安い席だと1000円しないこともあります。オペラを日本で見ようといくらするのだろうと新国立劇場の公演の値段を調べてみると、一番安いD席で4320円とか5400円とか......
ハア(溜息)
(ちなみに僕は溜息が多いそうなので以後注意します)

Petrgof

ペテルゴフ(ロシア語だとペテルホフ)は噴水が有名です。噴水は10月中旬までしか見れないので、その直前に同じ部屋に住むドイツ人ルームメイトと共に行ってきました。圧倒的な水の芸術でした。洪水とは正反対の、水の美に触れることができて幸せでした。

次回は学生生活について書き連ねたいと思います。



Monday, January 1, 2018

Myanmar trip 12/08 -12/13 APWS編

ミンガラーバー、ヨネシンです。
明けましておめでとうございます!

12月8日~13日にかけて行ってまいりました、ミャンマー渡航についてご報告します。
今回は大きく3つのイベントがありましたが、うち1個目は Yuya 君が書いてくれました。

まず、3rd Asia-Pacific Water Summit   でございます!

世界水フォーラムは、3年に一度、世界中の水関係者が一堂に会し、地球上の水問題解決に向けた議論や展示などが行われる世界最大級の国際会議です。世界水フォーラムは、世界水会議(WWC、水分野の専門家や国際機関の主導のもと1996年に設立された民間シンクタンク)とホスト国により共同で開催されています。 <http://www.waterforum.jp/jp/what_we_do/pages/WWF/>
とのことです!
日本水フォーラムの方々のご厚意により我々学生も参加させていただけることになった次第でございます。ありがたいことです。

会場はyangonでも屈指の高級ホテル、セドナホテルでございます。休憩時間の軽食、コーヒー紅茶も完備でございます。

 Sedona Hotel
中でも目玉の登壇者は皆さんもご存じのこの方!

  Informative talk by Ms. Aung San Su Kyi
とても素晴らしいスピーチだった(そうです)。
というのも、早朝から渋滞にはまってしまい間に合わなかったのです。( Yuya氏が腹痛で苦しんでいたため)
川崎先生も「あらゆる会議において最初こそが重要」と頻繁に仰ってますので、惜しい限りです。


それ以外にも各国の首脳級、大臣級の人々のスピーチがありました。
あれぐらいの地位になると肩書に H.E. (His Excellency) とつくんですね~。

集合写真もしっかりと撮っておきました。

Group photo
実は私も午後のセッションに参加し、議論に参加しました。
I joined panel discussion
はい、嘘です。(笑)

我が国の石井国土大臣からのスピーチもありました。国交省のウェブページでも紹介されています。

Minister Ishii
川崎先生も"Evidence based decision making"というトピックで、データに基づく意思決定のあり方についてスピーチされました。

Sensei
Poster session by Yuya


 一日目の終わりにはレセプションがありました。会場は、ヤンゴンRegional政府の庁舎でした。
入り口には大きな観音様?がいました。もともと国会議事堂だったらしく、巨大な建物です。

Statue
 豪華な食事とともにVIPの登場もありました。ミャンマーの副大統領とヤンゴン地方域の首相がいらっしゃいました。すなわち日本の副総理と東京都知事のようなもので恐れ多い・・・

Vice President
 終始カルチャーショーが行われていました。これが、豪華絢爛でまた素晴らしかったです。

Tradition
そのあとは先生とYuya君で二次会でした。日曜日なので許してください~。

Suspicious bar
そして最後のイベント!
YTUにてジョイント学生セミナーなるものが行われ発表しました。

Opening remarks by Prof. Meguro
研究領域は実に多様でしたがそれだけに面白かったです。
嬉しいことに表彰してくださり、素敵なプレゼントをいただきました!(東大ボールペン)


以上です。
今回の渡航では、真面目に「修士にきてよかった」と実感できました!
あとは修論をなんとか提出し、できるだけこのような貴重な経験を積みたいと思いました。



ありがとうございました。