Wednesday, March 2, 2016

ハーバード大学Peter先生訪問

こんばんは。ミカイです!

2月21日から29日まで、大学のプログラムでボストンに行ってきました!!
公式的にはMITの学生との交流が目的ですが、
空き時間を利用してボストンにある大学の教授とミーティングすることも可能です。

私は、ハーバード大学のPeter Rogers先生とお会いしてきました!





Peter先生のofficeにて






もちろん右がPeter先生で左がミカイです。




Peter先生は、川崎先生がハーバード時代にお世話になった方で、私の研究の元となる考え方を提唱して下さった方です方です。
Peter先生は半世紀前から国際河川の紛争に取り組み、便益算定モデルを構築して、定量的な便益の算定結果に基づく意思決定を支援してきました。
自分が今取り組んでいることを半世紀も前にやっていたなんて驚きです。
そんな先生に今回お会いする機会をいただくことができました。



今回は自分の研究成果を発表し、フィードバックをいただくという形でアポを取りました。


前のブログにも書きましたが、研究の成果を検証するためにラオスやバンコクで英語で発表をしたり、
国内でも水の専門家に発表を行ってきたので、発表はすでに慣れたものでしたが、
今回の発表は特に緊張ました、、、


というのも、英語圏の本場アメリカでの発表ということや、
偉大な先生の前での発表、そして今回は川崎先生が、いらっしゃらないので、
助けを求められる人がいないという状況だったからです。






それでも、1月のラオス・バンコクでの発表のおかげで、鋼のメンタルが身についたので、今回の発表も何とかやりきることができました。
Peter先生がとても親切に応対して下さったおかげでもあります。

私の拙い英語でも、Peter先生の並外れた理解力で内容を把握して下さり、何とか議論することができました。







さて、肝心の内容の方ですが、主に卒論発表で行ったものを英語化し、さらにRobust Decision Makingの部分をより明確にした形で発表を行いました。



私の研究では、データの不確実性への対処と科学知の意思決定への活用という2つのことを目標にしてますが、Peter先生は、それぞれに対して、ご自身の経験を踏まえて様々な助言を下さいました。


データの不確実性に関しては、本研究ではRDMの考え方を応用していますが、RDMでは、すべてのケースの発生確率が等しいとして計算しており、確率分布にしたがって計算しているわけではありません。
Peter先生は、変数を確率分布にしたがって計算しなければならない、データの質に注意しなければならないとおっしゃっていました。

RDMは、確率分布が特定できないような変数を扱うことに適した手法であり、その部分は説明が甘くなってしまったので、もっとしっかりできていればより建設的な議論ができたかもしれません。


また、意思決定への活用という部分に関しては、取り組み自体には大いに賛同していただき、良い評価をいただくことができました!

しかし、ご自身の経験から、実際の意思決定にはかなり政治的な思惑が反映され、数値シミュレーションに基づいた結果が政治家の権益にそぐわない場合には意図的に活用されないこともあるそうです。

だからこそこのツールは役に立ちうるとも考えられます。
このツールはウェブ上で操作可能であるために、誰でもシミュレーションを行ことができ、結果を共有することができます。
したがって、シミュレーション結果の透明性が非常に高いため、多くの人々が結果を共有することで、一部の政治家の権益のために適切ではない判断が下されることを抑止することができるかもしれません。
また、流域国間の交渉を仲介する立場がこのようなツールを使うことで、全体としての利益が最大となるような意思決定を支援し得るとも考えました。




おそらくもっと素晴らしいこともおっしゃって下さっていたのですが、
如何せん私の英語力があまり良くないので、あまり聞き取ることができませんでした。情けない。。。













今回のボストン訪問では、多くのMITの学生や、ハーバードの教授の方とお話することができました。


これは1年前の自分では考えもつかなかったことです。
もともと英語がかなり苦手で、話すこともそれほど得意ではないので、
英語で外国人と議論をするなんてことは一生のうちにできるのだろうかと思っていましたし、
ましてMITやハーバードといった世界最高峰の大学の方と話す機会なんて一生得られないだろうと思っていました。









ハーバードの象徴的建物?これが食堂らしいです。



入り口の門

Enter to grow in wisdomと書かれています。





何をもって成長というのかわかりませんが、自分の考えを整理し、伝えるということがよくできるようになったと思います。
少なくとも、この研究室に入る前の1年前にはできなかったであろうことが今はできていますし、できるという自負も持つことができています。



ハーバードで学んでみたいですね。






それもこれも、川崎先生のご指導と、人とのつながりのおかげです。
川崎研究室では、人に自分の考えをいかに分かりやすく伝えるか、ということが鍛えられる気がします。個人的な見解ですが、それが哲学であり、そして幅広い領域にまたがる事案に対処するには重要なスキルだと思います。

B3向けになりますが、そんな哲学に共感するかたは是非一度川崎研究室に遊びに来てください!

それではまた。

ミカイ

1 comment:

  1. 僕の師匠Peterとミカイくんの会合が実現して、とても嬉しいです!
    Pierce HallのPeterのオフィス、懐かしい!

    Peterの1969年の論文「A Game Theory Approach to the Problems of International River Basins」が、Robust Decision Makingの概念と融合して、意思決定支援システムまでに発展したことは、Peterにとっても感慨深かったと思います。僕自身、2008年からPeterとの議論により造り上げてきた研究が一つのシステムとして具現化できて、喜びもひとしおです。ミカイくんの多大なる貢献に感謝しています。


    英国で生まれ育ち、米国で40年以上大学教員を務めるMr. English(?)のPeterと高度な議論が出来たということは、もう怖いものはありません。一層の自信を持って、新たなる道を切り拓いていってください。

    川崎

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